社会人一年目というのは、本当に大事な一年です。
社会という大海原へ放り出され、人生で最も新しい経験を多くする一年となることでしょう。
だからこそ、社会人一年目の取り組み方が今後数十年を左右すると言っても過言ではありません。
巷では、社会人一年目の教科書だとか入社一年目の教科書だとかいう類の書籍が溢れています。
それだけ需要があるということでしょう。
私は社会人一年目のときにはこの類の書籍は読んでいません。
しかし、社会人一年目に読んでおいてよかったと感じている書籍はいくつかあります。
今回はそんな書籍の中から、私にとっての『社会人一年目の教科書』となった一冊を紹介します。
本当の社会人一年目の教科書
本当の社会人一年目の教科書とは、今後の社会人生活において一貫して使えることが記されている本だと私は思います。
つまり、ビジネスマナーだとか小手先の技術ではなく、考え方や思考法について書かれているものを読むべきです。
私が思う、社会人一年目の時点から意識して身につけて欲しい思考法は「ロジカルシンキング」です。
聞いたことくらいはありますよね。
社会人であれば(場合によっては社会人でなくても)誰しもが身につけておいてほしい思考法ですが、意外と出来ていない社会人は多いです。
実際に仕事をしてみると分かります。
もしかすると、もう実感しているかもしれませんね。
そんなロジカルシンキングを身につける上で今回私が紹介したいのが、『入門 考える技術・書く技術−日本人のロジカルシンキング実践法−』です。
本書は、バーバラ・ミント氏の大ロングセラー書籍『考える技術・書く技術』を日本人向け、日本語向けにして書かれたものです。
また、「入門」とある通り、ロジカルシンキング入門書として易しく分かりやすく書かれています。
本書には、ビジネス文書やメールの書き方といった具体的に仕事に活かせることまで書かれています。
本書のメインディッシュは「ピラミッド原則」ですが、今回はそれよりも初歩的な考え方である「OPQ分析」というものを紹介したいと思います。
OPQ分析
「OPQ分析」とは、読み手の疑問を理解して確認する「読み手分析」の一種で、ビジネス文書に的を絞ったシンプルな方法と紹介されています。
私は本書でOPQ分析について知ったときに、「本当にビジネス文書に的を絞ってるの?」と思いました。
要するに、それだけ色んなことに応用が効く考え方であると感じました。
それではOPQ分析について紹介していきます。
「OPQ」とはそれぞれ下記の頭文字をとっています。
- Objective(望ましい状況)
- Problem(問題,現状とObjectiveとのギャップ)
- Question(読み手の疑問)
OPQの意味が分かったところで、OPQ分析の具体的な進め方を見ていきましょう。
OPQ分析は、下記の流れで進めます。
- 読み手が目指している望ましい状況(Objective)を考える。
- 現状とObjectiveとのギャップ、すなわち解決すべき問題(Problem)を特定する。
- 読み手がProblemに直面した際に、抱くであろう疑問(Question)を想像する。
- Questionに対する答えを導き出す。
以上のようにして、ビジネス文書の読み手が求めている答えを導くのが「OPQ分析」です。
また、本書では「OPQ分析のコツ」というものが紹介されています。
OPQ分析のコツは以下の通りです。
- すべて読み手の視点で表現する
- 比較のレール(トピック)を外さない
- 文書の主メッセージはQに直接答える
つまり、読み手目線に立ったときに納得感のある答えを示せということだと解釈しました。
この考え方は、本書ではビジネス文書を例に挙げていますが、友達との会話レベルに落とし込んでも同じことが言えると思います。
日頃から常に相手目線に立って、相手が求めている答えを想像するようにしていると、自然と「OPQ分析」が身に付いてくるのではないでしょうか。
このように、本書ではロジカルシンキングを養っていくうえで実践的な手法が紹介されています。
ロジカルシンキングは、数日で身に付けられるものではありません。
しかし、本書に書かれていることを素直に実践していれば着実に身に付けていくことが出来ると思います。
まとめ
今回は、私にとっての「社会人一年目の教科書」となった『入門 考える技術・書く技術−日本人のロジカルシンキング実践法−』を紹介しました。
本書には、今回私が紹介した「OPQ分析」のほかにも「ピラミッド原則」というロジカルシンキングの基礎かつ実践的な方法が紹介されています。
また、それらを応用したメールライティングについても書かれています。
この考え方や実践法は、今後の社会人生活においてずっと役に立ち続けるものです。
私にとって「本当の社会人一年目の教科書」となったように、あなたにとってもそうなると思っています。
ぜひ一度読んでみることをオススメします。
ちなみに、166ページと短い本なのでサクッと読めちゃいます。
その点もオススメです。
以上です。
最後まで目を通していただきありがとうございます。