令和3年春期ネットワークスペシャリスト(NW)試験の午後Ⅰ問3の解説をしていきます。
解答はIPAが公表している解答を引用しています。
解説には間違いが含まれる可能性があるため、その際は指摘していただけると幸いです。
設問1
a
解答:8
G729のビットレートは8kbpsです。
知らなければ解くことができない知識問題になります。
b
解答:UDP
イーサネット、IP、RTPのほかに付加されるヘッダはトランスポート層のTCPまたはUDPであることが推測できます。
今回は音声通信のため、信頼性よりも速度を重視して、コネクションレス型のUDPを利用します。
c
解答:廃棄 又は ドロップ 又は 損失
遅延のほかにパケットが損失したことが考えられます。
その類のワードが入れば正解かと思います。
d
解答:ToS
Diffservを利用して優先制御を行う際にはIPヘッダのToS(サービスタイプ)フィールドを使います。
SDCPは、パケットの優先度を示す値であり、ToSフィールドに含まれます。
設問2
(1)
解答:拠点間の内線通話
問題文中に「拠点間の内線通話は、IP-GWを介して広域イーサ網経由で行っている。」と記述されています。。
また、図1の説明として「IP-GW:音声信号とIPパケットの変換装置」とあります。
このことからIPパケット化される通話は「拠点間の内線通話」となります。
(2)
解答:パケットの音声化遅延が大きくなるから
ジッタとは、パケットが遅延したり順序が入れ替わったりすることによる音声の乱れです。
ジッタはパケットをバッファに蓄積させることで音声の再生タイミングを調整することで発生を防ぐことができます。
しかし、バッファを大きくし過ぎるとパケットがバッファに蓄積する時間が長くなり、音声の遅延が大きくなってしまいます。
設問3
(1)
解答:4,472
図1には「本社のPBXには80回線の外線が収容され、各営業所(5か所)のPBXには、それぞれ10回線の外線が収容されている。」とあり、この計130回線が図2のL3SW0のポートaから出力されます。
問題文中に「1回線当たり34.4kビット/秒の帯域が必要となる。」とあるため、以下の計算で解答が求められます。
34.4 x 130 = 4472
(2)
解答:L2SWからの給電は行われない。
L2SWにPoE未対応の機器を接続した場合は、通常のネットワーク機器として扱われます。
よって、L2SWからの給電は行われないという解答となります。
設問4
(1)
解答:フレーム中のタグ情報内の優先ビットを使用するから
通常のイーサネットヘッダにはCoSを設定するフィールドがありません。
そのため、タグVLANによって追加されるフィールドに設定する必要があります。
よってタグVLANの優先ビットを利用する必要があることを解答しなければなりません。
(2)
解答:2
問題文中に「L2SW01に接続するITELには、VLAN100とVLAN105を、L2SW02に接続するITELには、VLAN150とVLAN155を、L2SW1に接続するITELには、VLAN210とVLAN215を設定する。」と記述されています。
これにより、L3SW0ではポートgとfで1つずつVLANインターフェースが作成されるため、解答は2となります。
(3)
解答:データフレームが出力中の場合
キュー1の音声フレームは優先度が最も高く、ほかのキューのフレームより優先して出力されます。
しかし、すでにほかのキューでデータフレームが出力中である場合は、その出力を待たされることがあります。
(4)
解答:ア)f, g, j
イ)a, b, c, d, e
CoSはITELによってマーキングされるため、空欄アに入るのは「f, g, j」となります。
また、空欄イには音声パケット、eLNサーバのパケット、その他のデータパケットが入ってくるポートを解答すればよいため、解答は「a, b, c, d, e」となります。
(5)
解答:DパケットによるeLNパケット転送への影響を少なくするため
キュー1で音声パケットを優先して出力することと同じ考え方をします。
つまり、大量のデータパケットなどによりeLNサーバの動画パケットの遅延などの影響を防ぐために、eLNパケットをキュー2、データパケットをキュー3に入れます。
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