令和5年春期ネットワークスペシャリスト(NW)試験の午後Ⅰ問2の解説をしていきます。
解答はIPAが公表している解答を引用しています。
解説には間違いが含まれる可能性があるため、その際は指摘していただけると幸いです。
設問1
ア
解答:フラッディング
ユニキャストMACアドレス宛ての通信がMACアドレステーブルに載っていない場合に、同一ネットワーク上の全てのポートにデータを転送することをフラッディングと言います。
ブロードキャストMACアドレス宛ての通信がきた際に発生するブロードキャストと似ているため注意しましょう。
イ
解答:IGMP
スヌーピングとは「のぞき見」という意味です。
IGMPスヌーピングには、データを必要としていない端末への通信を節約する効果があります。
ウ
解答:マルチキャスト
IGMPグループに参加することを示すためにIPマルチキャストアドレスへJoinメッセージを送信します。
エ
解答:ツリー
マルチキャスト通信において、パケット転送経路を決定するツリー構造をディストリビューションツリーと言います。
用語そのものを知らなければなかなか答えるのが難しい問題だと思います。
オ
解答:PIM-SM
「オ」と「カ」には、「PIM-SM」または「SSM」のどちらかが入ることが推測できるかと思います。
図2の(b)でFW01がPIM helloを送信していることから、FW01が対象になっている「オ」には「PIM-SM」が入ることが分かります。
カ
解答:SSM
残った「SSM」が入ります。
キ
解答:復号
文中に「配信先であるレシーバは、マルチキャストパケットの映像データを映像へ復号し、大型モニターへ表示する」とあり、PCでも同じ処理をすることが必要になるため「復号」が入ります。
設問2
(1)
解答:配信先のレシーバの数に応じてソースの通信料が増加する。
ソースとレシーバ間でそれぞれ個別に通信を行う必要があるため、通信料が増加するまたは帯域を無駄に使用するといったことが書かれていればOKかと思います。
(2)
解答:160
「カメラ(以下、IPカメラという)を河川・沿岸の主要5地点周辺に合計20台新設し、~」
「IPカメラは、1台当たり8Mビット/秒で映像データを含むパケットを送信する。」
と書かれていることから、8Mビット/秒 × 20台で求められます。
(3)
解答:全てのIPカメラに個別のIPアドレス及び個別のグループアドレスを使用する。
「IGMPv2を使用する場合、レシーバはグループアドレスを指定してIPマルチキャストの配信要求を行う。」とあるため、IPカメラを区別するためには個別にグループアドレスが設定されている必要があります。
設問3
(1)
解答:グループアドレスの設計が容易になる。
個別のグループアドレスを設定する必要がない分、設計が容易になります。
(2)
解答:①グループアドレス
②インタフェース
送信元IPカメラのグループアドレスと転送先のインタフェース(ポートでも可かもしれません)の情報によってIGMPスヌーピングを行います。
(3)
解答:Ⅰ)カメラ管理サーバ
Ⅱ)443
サーバ室にある送信元となる機器はカメラ管理サーバのみであるため、Ⅰには「カメラ管理サーバ」が入ります。
また、PCとカメラ管理サーバ間はHTTPSで通信することが書かれているため、ⅡにはHTTPSのウェルノウンポートである「443」が入ります。
設問4
(1)
解答:(a) L3SW11, L3SW21
(b) L2SW11, L2SW21
(c) IGMPv3
PCでも映像を表示するようにするためには、IGMPv3を使用して映像データをPCにも送信するように設定する必要があります。
よって、執務エリアのL3SWからL2SWへの通信が該当箇所になりますが、L2SW12とL2SW22の先にはレシーバがあるため既に設定がされています。
そのため、L3SW11からL2SW11とL3SW21からL2SW21の間でIGMPv3の設定をすれば良いということになります。
(2)
解答:Webページを改修するだけで対応完了できる。
デスクトップアプリケーション方式では、それぞれのPCで設定を持っているため、IPカメラの追加や更新の設定は全てのPCで行う必要があります。
対して、Webブラウザ方式では、カメラ管理サーバで一元管理されているため、カメラ管理サーバのみの設定変更で対応を完了させることができます。
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